「La boheme, la boheme」
・・・主要登場人物・・・
ピエール・ラスネール・・・46歳。ぼったくりのタクシードライバー。大学時代にアドルフによりレイプ未遂に遭った、という記憶がある。そのアドルフとは悪徳同士、未だに友好関係が続いている。バツイチで、8年前に別れた前妻のジュスティーヌとは離婚後に死別。一人娘のアリーヌは最近結婚。鮮やかな金髪と深いブルーの瞳。愛車はメルセデス・ベンツS560。愛煙家でジタンを吸っている。10区のマゼンタ通りにあるクラッシックなアパルトマンに在住。 アドルフ・フルニレ・・・46歳。金持ち相手の男娼小屋と贋作ギャラリーの経営者。ゲイであり、マルセルとはかつて恋人のような関係にあった。金に汚いが美を見極める目は確か。好みはミノリの外見だそうだが女はまるでダメ。20年以上の付き合いであるピエールのことを思い続けている。青白い顔に、薄金色の長髪と色素の薄い碧眼を持つ、浮世離れした美貌の持ち主。本人の装いも車のボディも内装も黒。愛車はポルシェのケイマンS。愛猫の真っ白なペルシャ猫モンブランはコーヒー党。8区のシャンゼリゼ在住。 河上ミノリ(かわかみ みのり)・・・22歳。画家志望の日本人。パリへ到着するなり性質の悪いぼったくりタクシーのドライバーにナイフを突きつけられて、有り金を持ち逃げされたが、路上生活者同然に追い込まれて尚、根性で絵の勉強を続けていた小柄な少女。ピエールの紹介でアドルフの仕事を手伝い、いい給料を得ているはずだが相変わらずみすぼらしい身なりをしている。本来はアドルフに見染められるほどの美少年な外見。18区のモンマルトルにあるアパルトマン在住。バスルームは地獄絵図。ドイツ製のエコ洗剤で食器と頭髪を洗浄している。身長150センチ程度。躍動感溢れる人物描写が得意。 マルセル・ランドリュー・・・21歳。美大生で元アドルフの恋人。かつてアドルフに贋作ビジネスを持ちかけた張本人で、ある日突然金庫の金とアドルフに買いとらせた数十枚の絵画とともに失踪した。栗色の癖っ毛に大きな鳶色の瞳の華奢な少年。猫撫で声の甘え上手で打算的な性格だが、アドルフとピエールの仲に嫉妬して仕返しを企む情念の持ち主でもある。色彩感覚が天才的。人遣いは荒い。 アリーヌ・ド・カッセル・・・22歳。ピエールの娘。髪の色はピエールと同じ鮮やかなブロンドだが、目元が母親のジュスティーヌと瓜二つ。夫のジョリスは貴族階級出身の家柄。美しく優しい女性で、独り身のピエールをいつも気にかけている。瞳の色は明るいブルー。喫煙者。 アヴリル・デエイェ・・・ピエールの同業者。赤毛に髭面の貧相な男。以外と手先が器用。 ジュスティーヌ・・・故人。ピエールの元妻で、8年前に離婚。残業がえりのジュスティーヌのルノーへ酔っぱらい運転のトラックが突っ込み6年前に死亡。目元がアリーヌに似ている。
・・・『la bohem, la bohem<<doux >>』 雑貨屋・・・推定30代半ば〜後半。10区のパッサージュブラディで小さな店を営んでいる。若い外国人ツーリストを見つけては拉致監禁し、変なお茶を飲ませて眠らせ、パスポートを盗んでいる。店で取り扱っている商品は魔法のランプや東洋の呪い人形などの不思議系の他に、Tシャツやポスターなど普通のアイテムもある。高額で魔法グッズをツーリストに押し売りしたため訴訟を何件も抱えているが、本人に詐欺をしている感覚はない。アジトが別にあり仲間がいる。金髪で恐らくゲルマン系。前科持ち。腕に<so−ryann−se>という謎のタトゥーを彫っている。 河口哲平(かわぐち てっぺい)・・・22歳。運送屋でアルバイト中の就職浪人生。男性アイドルタレント専門大手プロダクション系のイケメン好きである、元恋人の倫子に浮気をされて、傷心旅行の為に単身パリを訪問。パッサージュブラディーの雑貨屋に拉致監禁されて、自分の運命を呪いながら、店員に魔法のランプを押し売りされた。ちょっと流されやすい性格。
・・・『La boheme, la boheme <<trois>>』 ジル・ド・マシュクール・・・市議会議員。かつて兵役でキガンダへ駐留。元准将にして慈善運動家、政治家であり、ダクールとは同性愛の関係にあった。 ジャン・ダクール・・・故人。金髪に深いブルーの瞳を持った美貌の元フランス軍少将。少しピエールと似ている。
・・・『La boheme, la boheme <<quatre>>』 エミール・ド・リラダン・・・・ルブール(rebour)のペンネームで有名なコラムニスト。フォントネーの屋敷に若者達を集めて、『光の家』という名の、カルト集団のような活動もしている。少し長めの漆黒の髪とコバルトブルーの瞳にメタルフレームの眼鏡を掛けている、色白の痩せぎすな男。軟弱な印象だが、意外と肉体労働に向いている。 ティエリ・デュルタル・・・・ド・カッセル家長男。勘当中の身で、父親とは険悪だが、弟とは仲が良い。明るい栗色の無造作な髪型でラフな装い。アドルフがスカウトや営業に使っているゲイバーの常連。 ステファヌ・ゾラ・・・・本名:エティエンヌ・ヴァレリー。ゾラは母方の名前。メッシーヌ・ベルシー大学国文学専攻。歌手志望。アドルフが経営するホストクラブのスタッフ。モンペリエ出身。実家は地元で有名な牡蠣の養殖会社。『リュイットル・ド・ヴァレリー(L'Huitre de Valery)』。 シャルル・ヴァレリー・・・故人。ステファヌの兄。メッシ−ヌ・ベルシー大学美術史学専攻。ミノリが描いた肖像画の被写体。ルブールに心酔していた。栗色の髪。 ウェイ・ヤンミン(惟陽明)・・・中国系アメリカ人ジャーナリスト。後輩にメッシーヌ・ベルシーのアメリカ人留学生がいて、自身も同大学の元留学生。後輩の情報提供により、ルブールの屋敷へ潜入を試みる。 ダミアン・デ・ゼルミー・・・ド・リラダン家の使用人。神経質そうな印象の若者。非常に言葉は丁寧だが、キリスト教を邪教呼ばわりしてピエールを憤慨させる。
・・・『La boheme, la boheme <<cinq>>』 ロジェ・ドークル・・・34歳。焦げ茶色の柔らかそうな髪を清潔そうに分け、鳶色の瞳と品の良い口元に胡散臭そうな笑みを湛えている。ホテル『アスタルテ』の二代目オーナー。ブリーフケースを肌身離さず持っており、弟そっくりの美少年ラブドールを庭に並べている。 エリファ・ジョアネ・・・22歳。明るい栗色の柔らかそうな巻き毛。夢みるような翡翠色の瞳。ロジェ・ドークルとは母親違い兄弟。父親の暴力から逃れる為に五年前に家出をしたが、頼った兄の秘密を目撃。危うくころされかけたところを、墓守人レオン・モーベールに匿われる。 レオン・モーベール・・・30歳。漆黒の髪と漆黒の瞳。長身で太い眉と鷹のような鋭い目付。シャントルーヴ墓地の管理人。親同士の因縁のため、ドークル家に良い感情は持っていない。エリファの庇護者。
・・・『La boheme, la boheme <<six>>』 ルイ・バイ・・・21歳。中国名は白琉衣(バイ・リュウイ)。灰色の瞳を持つ、見た目はほとんど白人の中国人クオーター。空港でピエールに銃を突きつけ拉致する。幼い頃からアンシーに想いを寄せ続けている。資産家の出身。 アンシー・ショー・・・20歳。本名は邵安石(シャオ・アンシー)。モローの描くサロメを思わせる、中性的な美青年。不思議な能力を持つ。幼馴染のルイを案じており、少年期に兄と生き分かれた故郷に想いを馳せている、チワン族にルーツを持つ中華系移民の子供だが、本人はパリ生まれのパリ育ち。 シャオ・フーチェン・・・32歳。漢字は邵虎城。パリ警視庁に来ている中国公安部在籍の刑事。身長180センチを超すスラリとした美男子。10年前に広州の空港で分かれて以来、弟のアンシーとは会っていない。アンシーと同じ能力を持っている。口が悪い。マゾヒストで美青年好きのゴーチェ警視総監に気に入られている。農村部出身の為、本国では苦労が多く、なかなか家族を引き取れずにいる。 河上渚(かわかみ なぎさ)・・・21歳。ピエールの隣に越してきた、謎の美女。率先して通い妻をこなす。本人曰く、メッシーヌ・ベルシーの学生兼文筆業。おそらく富裕層。 レイモン・バロー・・・アドルフが仕事を依頼した元刑事の探偵。
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