『ゴドリー巡査部長の事件簿〜ハンバリー・ストリート殺人事件〜』★登場人物紹介★
○主人公たち○
ジョージ・ゴドリー・・・ベスナル・グリーン署(J管区)所属の巡査部長。ホワイトチャペルにおける一連の殺人事件捜査のために、現在ホワイトチャペル署へ出向中。アバラインの相棒。自覚がない天然タラシ野郎。黒髪と褐色の瞳。身長185センチ。32歳。
フレデリック・ジョージ・アバライン・・・愛称はフレッド。本庁(CO管区)所属、美貌の警部補。ホワイトチャペル連続殺人事件の1年前までは、10年以上もホワイトチャペル(H管区)で仕事をしていた。冷静沈着。病死した妻の父親の死に対し、責任を感じている。かつての恋人キャラハンとは、今でも共に仕事をすることが多い。アイルランド系で色白の肌、褐色の髪。瞳の色はヘイゼル。ヘビースモーカー。身長176センチ。45歳。
ライアン・ジョウゼフ・キャラハン・・・本庁(CO管区)の警視。ハイゲート時代のアバラインの公私に亘るパートナー。スティーヴンの友人でもあり、よく『ジャルダン・スクレ』へ共に食事に行く。チャンドラーとコンビを組んでいた時期もある。今でもアバラインに未練を残している。妻帯者。ヘビー・スモーカー。身長187センチ。縄使い。50歳。
ジェイムズ・ケネス・スティーヴン ・・・弁護士兼ケンブリッジのフェロー兼詩人。クリーヴランド・ストリートの会員制レストラン『ジャルダン・スクレ』の客であり、キャラハンの友人。父親はミスター・ジャスティスこと、ジェイムズ・フィッツジェイムズ・スティーヴンで、叔父は文学史家のレスリー・スティーヴン。エドワード王子の元個人教師でもある。皇太子殿下がグランド・マスターである『ロイヤル・アルファ・ロッジ』のメンバーであり、『ハンティング・パーティー』のメンバー。『ジャルダン・スクレ』のウェイター、フィルがお気に入りで、よくデートに誘う。どこまでが冗談でどこから本気かわからない話し方をする。褐色の髪と灰色がかった青い瞳。身長190センチ。29歳。
○事件関係者○
リリアン・グロリア・ホランド・・・愛称はリリー。見世物小屋で蛇女を演じている看板大夫。恋人は『ナイト・ホーク』のマネージャーをしているアリス・レヴィ。男嫌い。エレファントマンはかつての同僚。身長150センチ。20歳。
ヘンリー・ジョン・ホランド・・・アニー・チャップマン殺人事件の目撃者の一人。リリーの弟。麦藁色の長めの髪を持つ、姉とよく似た可愛らしい少年。リリーの恋人であるアリスが嫌い。市場で清掃の仕事をしており、日勤と夜勤のハードな仕事をこなす勤労少年。身長160センチ前後。19歳。
アリス・パウラ・レヴィ・・・愛称はアル。男装クラブ『ナイト・ホーク』のマネージャーで、男装の麗人。自らも多くのパトロンを持つ。ヴァイオレット・ミラーやイアン・ガーラントもパトロンの一人。リリーの他にもデイジーという恋人がいる。身長176センチ。29歳。
○『クリムゾン・パーティー』関係者○
イアン・ガーラント・・・リベラル系の市議会議員。会員制レストラン『ジャルダン・スクレ』と『ナイト・ホーク』の客であり、『ロイヤル・アルファ・ロッジ』のロイヤル・アーチで、『クリムゾン・パーティー』の主催者。女装趣味。腹が出ている50歳。
アンドレアス・バーカー・・・愛称はアンディ。イアン・ガーラントの献身的かつ強気な秘書。『ジャルダン・スクレ』と『ナイト・ホーク』の客であり、『クリムゾン・パーティー』のメンバー。ほっそりとした美青年。鞭使いの28歳。
ブライアン・ネヴィル・・・保守系の市議会議員。アリス・レヴィのファン。
ヴァイオレット・ミラー・・・ウェスト・エンドの高級娼婦でアリス・レヴィのパトロンの一人。『ハンティング・パーティー』や『クリムゾン・パーティー』と交流がある。口の軽い美女。35歳。
フィリップ・オクリーヴ・・・愛称はフィル。『ジャルダン・スクレ』のフロア・マネージャー。髪と瞳の色、体格以外は結構ゴドリーと似た外見。かつてはホワイトチャペルのゴロツキだった。素直な性格。身長185センチで若者らしいほっそりとした体形。金髪。翡翠色の瞳。25歳。
ギルバート・ブルワー・・・『ジャルダン・スクレ』の客で、不動産業者。商工会メンバー。『クリムゾン・パーティー』のメンバー。リジーの客であり、ペンダントの贈り主。43歳。
ロイド・ボナ・・・『ジャルダン・スクレ』のオーナー。『クリムゾン・パーティー』のメンバー。55歳。
ダリル・ハーン・・・ベッサラビア人ギャング『ヘキサグラム』にいるイギリス人。元はフィルと同じホワイトチャペルのゴロツキ仲間。頭の回転が良く行動力がある。好奇心旺盛。人懐こいお喋りな青年。金髪。青い瞳。23歳。
○主人公の友人達○
ベンジャミン・ベイツ・・・『スター』紙の記者。眼鏡とソフト帽、蝶ネクタイがトレードマーク。いらんこと言いでゴドリーによく暴行されるが、反骨心溢れるジャーナリズム精神の持ち主。ゴドリーの気紛れを都合よく解釈するチャーミングな性格。
リジー・・・『マダム・マギーの家』の娼婦。口が達者で明るい女性。化粧をしているときは、女王陛下とアレクサンドラ妃の間ぐらいの年齢に見えるが、実はゴドリーと同い年。かつてはオールド・モンタギュー・救貧院に寝泊まりしていた。面倒見が良く、やや意地っ張りな性格。32歳。
ジェシカ・ペパーミント・・・愛称はジェシカ・スウィーティー。オールド・モンタギュー救貧院の宿泊者。明るい夢想家の女性。不正が許せない性格。リジーを気にかけている。63歳。
ジョン・バクストン・・・愛称はマスター。パブ『テン・ベルズ』のマスター。売春婦が大嫌い。刑事のこともあまり好きではないが、持ち前の面倒見の良さと、ツンデレ気質で、ついついゴドリーの世話を焼いてしまう。紅茶を美味しく淹れることと、素晴らしいスコーンを焼くのが得意。
○ミラーズ・コートの住人や出入りしている人々○
ジョウゼフ・バーネット・・・愛称はジョー。ミラーズ・コート13番地に住む労働者。一見、気弱で温厚に見えるが、嘘が多い。アイルランド系で色白の肌と青い瞳。身長170センチ。29歳。
メアリー・ジェーン・ケリー・・・ミラーズ・コート13番地に住む女性。バーネットの内縁の妻。美人でフランス帰りを自慢にしている。アニー・チャップマンと交流があった。アイルランド系で褐色の髪と青い瞳。身長170センチ。25歳。
ジュリア・・・ミラーズ・コートに住む若い娼婦。メアリー・ジェーンの友人。金髪と青い瞳。
マリア・ハーヴェイ・・・メアリー・ジェーンの友人。
リジー・アルブルック・・・メアリー・ジェーンの友人。
ジョン・マッカーシー・・・ミラーズ・コート13番地の家主。
トマス・ボウヤー・・・マッカーシーの代理人。
ダニエル・バーネット・・・愛称はダニー。ジョウゼフ・バーネットの兄。
○警察・医療関係者○
ジョゼフ・チャンドラー・・・コマーシャル・ストリート署の制服警官で階級は警部補。ハンバリー・ストリート29番地へ最初に到着した警察関係者。基本は真面目で仕事熱心。刑事にあまり良い感情を抱いていないが、かつては自身も刑事で、キャラハンとコンビを組んでいた。仕事中もボトルを手放せないほどの酒好き。左手小指に指輪を嵌めている。身長188センチ。38歳。
チャールズ・ウォーレン・・・警視総監。元陸軍少将。一等勲爵士。軍隊気質を警察へ持ち込んだ末、モンロー元CID部長やマシューズ内務相と対立。遡ること1年弱前の1887年11月、社会主義者や失業者を中心としたデモ隊がトラファルガー広場に集結した際、2000名の警官を現場へ送りこんで衝突させ、多数の死傷者を出した『血の日曜日事件』で、一般市民やマスコミの反発を強く買った。
ジェイムズ・モンロー・・・公安警察長官。CIDの独立を目論みウォーレンと対立していた。元CID(犯罪捜査部)部長の警視監。アバラインとともにクリーヴランド・ストリートの男娼館を捜査している。
ウィリアム・シック・・・ホワイトチャペル署の巡査部長。渾名は「まっすぐジョニー」("Johnny Upright")だが、本人は恥ずかしがっており、できるだけ「ビル」と呼ばせるようにしている。真面目で穏やかな気質を持つ優秀な刑事。43歳。
リース・ラルフ・ルウェリン・・・医者。メアリー・アン・ニコルズとアニーチャップマン、キャッスル・リバー・ビルで起きた殺人事件の被害者を検死した。愛想は悪いが、仕事は丁寧。本当の名前は「シュウェリン」らしいが、ずっと間違えられている。
ジョージ・バグスター・フィリップス・・・警察医。アニーチャップマン、ヴァイオレット・ミラー、アリス・レヴィを検死した。モノクルをかけている。アニー・チャップマンの検死結果についてインクエストでも伏せていた情報を、医学雑誌へ漏洩させた疑いがある。
ゲイリー・ディレク・・・ホワイトチャペル署の巡査。捜査に託けて女装をさせられても文句が言えない、可愛らしい青年。気の利く性格。
ジョナス・メイスン・・・ホワイトチャペル署の巡査。刑事任用試験勉強は万全だが、推薦状を書いてもらえないことが不満。女装したディレクに一目惚れをしてしまう。
ジョン・ニール・・・ベスナル・グリーン署の巡査。
ロバート・アンダーソン・・・CID部長の警視監。躰が弱く、主治医の勧めにより、現在アルプス登山中。
トマス・アーノルド・・・ホワイトチャペル署の警視。何かあるとすぐにアバラインを呼び出す。
ウェイン・バクスター・・・検屍官。
ヘンリー・マシューズ・・・内務大臣。
○その他の事件関係者○
サキ・オミナエシ・・・漢字で書くと女郎花咲。侯爵家の庶子という身分を持つ日本人。わけあって現在は見世物小屋の大夫をやっている。チンパンジーと愛し合う東洋の両性具有という触れ込みによりステージに立つ歌手。なかなか相棒のチンパンジーに慣れず、貞操の危機に怯える日々である。
トマス・ノーマン・・・見世物小屋の興行師。5年ほど前にエレファントマンこと、ジョウゼフ・ケアリー・メリックを雇っていたが、メリックがロンドン病院に収容されてからは浮浪者同然に落ちぶれた過去を持つ。警察とマスコミが大嫌い。
ジョージ・エイキン・ラスク・・・カクストンに住む建築家。扇動屋で警察を敵視している。赤毛の長髪とハンチング帽がトレードマーク。
ジョン・パイザー・・・靴職人。通称レザー・エプロン。警察による誤認逮捕被害者。
ジェイムズ・グリーン・・・アニー・チャップマン殺人事件の目撃者。
ジェイムズ・ケント・・・アニー・チャップマン殺人事件の目撃者。
ジョン・デイヴィス・・・アニー・チャップマン殺人事件の第一発見者。
アメリア・ファーマー・・・アニー・チャップマンの5年来の友人。
ティモシー・ドノヴァン・・・クロッシンガム・ロッジング・ハウスの家主。
アメリア・リチャードソン・・・ハンバリー・ストリート29番地の家主。
ジョン・シーヴェイ・・・アニー・チャップマンと事実婚をしていた。篩職人。
研究社新英和中辞典の翻訳にしたがい、以下の通りとしております。
constable ・・・巡査
sergeant・・・巡査部長
inspector・・・警部補
chief inspector ・・・警部
superintendent・・・警視
assistant commissioner・・・警視監
Commissioner of Police of the Metropolis・・・警視総監
Home Secretary・・・内務大臣
*CID(Criminal Investigation Department)については、日本語表記を犯罪捜査部としましたが、小説やTVドラマ等の影響により、CIDの方が通りが良いと判断したため、文中は基本的に省略英語表記で統一しております。
作中に出てくる事件、事象は、以下のサイト(本人が管理しております)に紹介しているありがたき文献、及びリンク先の素晴らしきサイト様等を参考にしておりますが、半分以上はフィクションですのでご容赦下さい。
『Chamber of the Jack the Ripper』 (http://valencia.fc2web.com/chember_jtr/index.html)
また、作中における見世物小屋の描写については、国内最後の見世物小屋と言われているO社の興行映像や、映画『Freaks』、『The Elephant Man』などを参考とさせて頂きました。
前作『バックス・ロウ』殺人事件の登場人物紹介は下記をご覧ください。
http://cappuccino-habitacion.net/storieslist/european/jtr/cara.html